2024/07/24
スペインの郷土料理「アロス・アル・オルノ」は、パエリアほど有名ではありませんが、家庭料理として注目に値する素晴らしい料理です。バレンシア地方で生まれたこの料理は、パエリアと同様に短粒米を使った炊き込みご飯ですが、直火で慎重に調理する必要がないため、家庭でも手軽に作れるのが特徴です。アロス・アル・オルノのレシピは地域や家庭によって様々で、シンプルなものから豪華なものまであります。シンプルなバージョンでは、米、ひよこ豆、トマト、にんにく、オリーブオイル、調味料などを使った副菜のような一品です。一方、豪華なバージョンでは、ブラックプディングや豚肉、ジャガイモのフライ、干しぶどうなども加えられ、ワンポットミールとして楽しめる本格的な料理になります。共通するのは、米を炊く際に肉汁やひよこ豆の煮汁を使うことで、深い旨味を引き出していることです。また、真ん中にまるごと入れたニンニクが、ゆっくりと香りを放ちながら、全体の風味を高めます。調理方法も特徴的で、まず肉や野菜を焼いて色をつけ、次に米と香辛料を炒めてから液体を加えます。その上に具材を重ね、オーブンで焼き上げるのが一般的です。この工程により、米は全体的に柔らかく仕上がり、パエリアのようなパリッとした部分は作られません。アロス・アル・オルノは、簡単に作れる割に見栄えがよく、ファミリーミールにも、少人数のおもてなしにも活用できる万能な料理です。具材の組み合わせを変えれば、ベジタリアン向けや肉料理など、好みに合わせて応用できるのも魅力です。
材料(6人前)
- 鶏がらスープ、コンソメスープ等で代用可能
- スペアリブの骨は肉切り包丁で切りますが、無い場合は肉屋さんで切ってもらったものを使っても、切らずに市販のスペアリブの長さで使っても良いです。バックリブ(背側の骨付き肉)でも可です。
- ジャスミンライスでも代用可能。日本米の場合は水加減を注意してレシピ分量よりも少なめで調整してください
- なければ通常のパプリカパウダーでも可
- 豚の血液と米、香辛料を混ぜたソーセージです。日本では入手困難なので省略しても可。好みのソーセージを使ってください。
作り方
- オーブンを200℃に予熱する。1リットルの計量カップに塩大さじ1を入れ、ブイヨンが溶けるまでかき混ぜる。リブと豚バラ肉は塩・こしょうで下味をつける。
- 3.5リットルのソテーパンに油を入れ、中火にかける。ジャガイモの薄切りを加え、両面が濃いきつね色になるまで、一度返しながら片面約3分ずつ焼く。ヘラでじゃがいもを皿に移し、塩で味付けする。
- 豚ばら肉とバラ肉をソテーパンに入れ、時々裏返しながら、全体に焼き色がつくまで約8分焼く。
- 米、パプリカ、サフランを加え、米が均一に油になじんで焼き色が付くまで1~2分焼く。チキンブイヨンを入れ、タイム、ローズマリー、ローリエを入れる。米粒がすべて煮汁に浸るようにする。
- ひよこ豆を米の上に均等にのせる(ひよこ豆はほとんど水に浸かる)。鍋の中央にニンニクの頭を置き、その周りにモルシージャ(使う場合)、炒めたジャガイモのスライス、トマトのスライスをリング状に並べる。トマトは軽く塩で味付けする。
- 煮汁が煮詰まったらすぐにオーブンに移し、煮汁が完全になくなるまで、米が柔らかくなるまで約30分焼く。蓋をせずに5分間休ませ、ソテーパンから直接食卓に出す。
- 参考ページ(外部リンク)
- Arroz al Horno Valenciano (Spanish Baked Rice With Chickpeas and Pork) / serious eats 外部サイトへのリンク